”アレンテージョ” ・・・ テージョ川のむこう,と言う意味らしい。ポルトガル南東部,スペイン国境に接する,いわばポルトガルの田舎。なだらかな起伏の丘陵,オリーブ林,コルク樫,松林,所々に点在する由緒ある町や村。エストレモスはその中でもとりわけきれいな絵のような町。今回はここに行ってみることにしました。
ここには,有名な古城があって,そのままポサーダ(国営ホテル)になっています。その名も”Posada da Rainha Santa Isabel -イサベル女王” 。人気が高くなかなか予約が取れないそうです。町について早速,観光案所(のようなところ)で聞いてみました。おばさんの言っていることは全然わからなかったけれど、電話してもらったところ29800エスクードの部屋が空いているとのこと。これは聞いてた値段より高い。でも,もう2度とこれないかもしれないので迷わずGET!
荷物をしょって丘の上の城に向かいます。おとぎ話にでてきそうな城です。周りには城を囲むように,中世そのままの町なみが広がっています。
城の中はまるで美術館のよう。部屋に案内されるあいだも,あちこちきょろきょろ眺めてしまいます。
通された部屋は,スイートでした。左右に大きな寝室とリビング,真ん中に大理石のバスルーム,装飾のほどこされた大きなベッド,古風な家具や調度,絵画や装飾品,テーブルに並べられたたくさんの果物。なるほど・・・ここはサンタ・イサベル女王の部屋だったのかもしれません。
おおよそにつかわしくない格好をした私たちは,感激して荷物を放り投げてしばらく部屋のなかを観察。
でも,その部屋で一番すばらしかったものは・・・実は部屋の外にありました
窓から眺める景色,白い中世の町並み,緩やか丘陵,城壁の下では羊飼いが羊を下の町に導いている。静けさの中で首につけた鈴の音だけがあたりに響きわたっている。イサベル女王も日がな一日この景色を眺めていたんだろうな・・・