ここは、12番市電の走っているコスタ・デ・カステロ通り。
初めてポルトガルに来たとき一人アルファマをさまよい 丘に登り、ここに降りてきた。
狭い路地に向かい合った建物の窓越しに、
笑いながら話をするおばさんたちの声が通りにこだましていた。
自分の事を話題にされているのかと、思わず顔を上げた。
万艦色の洗濯物と青空が見事だった。
しばらく見上げていると、チンチンチン・ゴーと言う音。
驚く間もなく市電が肩をかすめていった。